せきはたん(外から吸収したホコリや細菌と、血液中の老廃物が肺に排泄されたもの)を出すための、体の自然な反応です。「血液浄化反応」のひとつなので、鎮咳剤(せき止め) を飲んで脳の咳嗽中枢をマヒさせて無理に止めてしまうと、たんが肺の中に貯まってしまい、肺炎を併発したり、気管支炎を長引かせるおそれがあります。
せき、たん、汗、鼻水、涙など、すべての排泄現象は体の浄化作用。「せきはたんが出きってしまえば自然に治まる」と考えて、せきを抑えるより、たんを取る治療を行うといいでしょう。
解決法その1「ぎんなん」
イチョウの種・ギンナンは、古来、「せきやたんに効く」といわれ、昔は「国民病」といわれた結核によく用いられていました。漢方のせき止め定喘湯(ていぜんとう)の成分になっていることからも、鎮咳・去疲作用があるのは明らかです。
焼いたギンナンを毎日5〜10粒食べたり、ギンナンにハチミツをかけて食べると、たんが出やすくなります。呼吸器病の人のたん切りはもちろん、健康な人でも常食することでたんが排出され、血液がきれいになります。ただし、ギンナンには青酸が含まれるため、食べ過ぎると消化不良を起こすので、1日5〜10個程度。
解決法その2「ミカン風呂」
南方産のミカンはそのまま食べると体を冷やす陰性食品ですが、皮を日に干して「陳皮」にすると、強力な保温作用を発揮するようになります。
3~4個分のミカンの皮を日に干して乾燥させたものを浴そうに入れたミカン風呂は、冷え性を改善し、血行をよくして、せきをおだやかに止めてくれます。風邪の初期や、ストレスがたまったときにも効きます。