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笑いは「免疫力を高める」特効薬

よく笑う人は病気にならない、これは本当か?

「そう言えば、ここ1年くらい、笑ったことがない」がんを患った方と話すと、そう言う人が少なくありません。おそらく、1年も笑いが出ないほど、仕事や精神的なストレスが続き、交感神経の優位が続いて、病気が発生してしまったのでしょう。

あなたは、どうですか?このl週間で、大笑いしたことはありますか?休日には、そうして普段の生活も振り返ってみましょう。

「1週間、ほとんど顔がこわばったままだった」という人には、私は、たまの休日くらい、ゲラゲラ大笑いする機会を持ってもらいたいと思います。
笑うことには大きな効用があるのです。笑いは、副交感神経を優位にします。大笑いした時には、涙や鼻水などが出てくるでしょう。

これは、副交感神経が優位になつたことによって、排泄・分泌が促進されるからです。笑うことで、脳内麻薬と言われるβエンドルフィンが分泌され、気分もよくなります。

また、笑うと、免疫細胞が活性化されます。たとえば、落語を聞いた後には、がん細胞を攻撃するNK細胞が活性化することがわかっています。

笑いに勝る「体温上昇法」はないけ‖

大笑いの効用は、体温が上がり、エネルギー代謝が滞りなく行えるようになることでしょう。大笑いすると、顔がクシャクシャになり、身をよじるような動作になります。

腹筋が筋肉痛になるのではないかと感じることさえあります。笑いによる全身の筋肉の運動で、熱が発生し、熱が血流によって体を巡り、体温が上がります。体温が上がると、体の中で起こるさまざまな化学反応、代謝を媒介する酵素の働きがよい状態になります。

すると、食べ物からエネルギーを摂取したり、古い細胞を新しい細胞に入れ替えたりする反応もスムーズになります。ですから、疲れも取れやすくなり、結果的に病気を防ぐことができるのです。涙が出るほど笑った後には、自分に重くのしかかっていたストレスが、何だかそんなに深刻ではないように感じられ、気分がスカッと軽くなっていることでしょう。

顔には赤みが差し、表情も明るくなり、全身はリラックスしてきます。手間も、お金もかけずに体温を上げる方法と言えば、大笑いに勝るものはないと言ってもいいでしょう。笑いの種と言えば、年配の方は落語でしょうか。今はお笑いブームで、おもしろい若手芸人がたくさんいますから、若い人は、そういう人が出るテレビ番組を観るなどして、休日くらいリラックスしましょう。

体温が低いとガン細胞が活発化してしまう

土日に気楽に始めるといい

疲れが取れる「理想の週末

これまで、疲れない体をつくるための基本的な知識と、実践のコツを紹介しました。

ただ、仕事が忙しく、今日からいきなり実践するのが難しそうという方は、無理をする必要はありません。疲れやすい人は、往々にして働きすぎの傾向があります。働きすぎている人の多くは、真面目な人です。

真面目な人は、ひとつの健康法を知ると一生懸命に覚え込み、厳格に実施しがちです。あまり厳格に実践すると、むしろ「体の声」を聞き落として、自分の体に合たわないことをしてしまい、体調を崩しやすくなるかもしれないのです。

そもそも、今までとは違う習慣を、無理に実行しようとすること自体がストレスになり、交感神経を緊張させ、疲れやすい体質を助長しかねません。

ですから、気楽に休日からでも始めてみたらどうでしょう。なかなか休日を取れない人は、まず休日を取ることから始めればよいと思います。

人間、考え方も、体質も、生活も、人生も、急激に変えることは難しいものです。それぞれに「慣性の法則」のようなものが働いているからです。
体の声を聴きながら、少しずつ努力をして、軌道修正をするしかありません。そぅした中で、ある日ふと気がつくと、「そういえば、ずいぶん疲れにくくなったな」と感じられる状態になつている。

真面目な人、忙しくて疲れている人にとっては、そのくらい気楽に始めるのが、ちょうどいいと思います。そこで、休日から気楽に始めてみる体質改善のコツを紹介したいと思います。

休日は、週単位、月単位で取ることが多いので、それと同様のサイクルで実践できる方法です。

1日単位の疲れをためない実践と併せて読むと、生き方改善のポイントがよりいっそう明らかになるでしょう。皆さんの中には、自分なりのストレス解消法をお持ちの方もいるでしょう。

休日などに好きな趣味に没頭し、仕事のストレスから解放されようとしている方は多いのではないでしょうか。しかし、好きでやっていることが本当にストレス解消になっているのかどうか、一度チェックしてみることも意外に重要です。

たとえば、平日が忙しくて、交感神経が優位気味の人が、休日に、あまり交感神経が優位になるようなことをすると、かえって疲れが増すかもしれません。平日に日を酷使している人が、休日にも目を使いすぎると、ますます交感神経が緊張して疲れます。

休日には、ごろ寝をして、チャンネルを切り替えながらテレビを長時間観たり、ゲームをする人も多いかもしれません。仕事でパソコンの画面を見るよりはましだとしても、やはり目は疲れます。

その最中は、楽しい情報が自動的に流れてくるので、スッキリしますが、夕方ごろ一息つくと、「ちょっと疲れたな」と感じるのが普通です。

やはり休日くらいは、目を休めなくてはいけません。一方、日ごろラクをしすぎて疲れやすくなっている子どもたちが、休日もゆっくり休む生活をしていると、ますます疲れやすくなってしまいます。

お父さん、お母さん、子どもたち家族それぞれに自律神経のバランスが違うでしょうから、それぞれの現状を観察し、バランスを取り戻すのにふさわしい過ごし方をするとよいと思います。

40歳を過ぎたら寝だめはNG

平日に忙しく仕事をしている人のなかには、休日に「寝だめ」をするのが楽しみな人も多いでしょう。

たっぷり時間がある休日にいつもより多めに睡眠を取ることで、何とか体調を戻そうというわけです。「休日の寝だめはよくない」とも言われますが、そうでもないと思います。

理想を言えば、平日に夜遅くまで長時間労働をしないことに尽きます。とは言え、現実には、そんなことを言っていられないほど忙しい人だっているはずです。

でそういう人にとって、健康を守る砦は、休日の寝だめしかないでしょう。少しでも多く寝ることで、副交感神経を優位にし、体を修復するのは意味のあることだと思います。

寝だめをする人は、しない人より、抑うつや不眠になりやすいという報告もあるようです。しかし、だからといって寝だめはよくないと禁止すると、おそらく抑うつや不眠どころか、免疫力が落ちて大きな病気をしてしまうに違いありません。

寝だめをする人が、しない人よりも抑うつや不眠になりやすいとすれば、寝だめをせざるを得ないような平日の忙しさやストレスそのものが、主たる原因だと言っていいと思うのです。

確かに、自律神経のリズムは乱れます。1週間、朝から日中にかけて交感神経がフルに働いていたのに、お昼すぎまで寝て過ごせば、午後まで副交感神経が優位になります。ですから月曜日には、体全体がだるくなりがちなのですが、それでも病気になるよりましです。

寝だめは、疲れをためないためのベストの策ではないけれども、次善の策として、疲れから病気に進ませないためのストッパーの役割を果たしているでしょう。寝だめをせざるを得ない人は、すればよいのです。ただ、その状態のまま胡代、知代を迎えると必ず病気になります。ですから、できるだけ早いうちから、「寝だめをしなくても済む仕事能力、仕事のスタイル」を身につけ、疲れをためない生活をするように挑戦してみてください。

言うまでもありませんが、普段からストレスもなく、交感神経が緊張することもあまりないラクすぎる生活をしている人は、寝だめをすると疲れやすさを助長するだけです。休日こそきちんと起きて、できるだけ活発に活動するようにしたほうがよいでしょう。

朝、さわやかにすっきりと目覚める方法

理想は大の字で寝る

さて、就寝の時間や、姿勢、環境について見です。「就寝時間は、その日のうちに」というのが、お勧めです。 40歳以上の人は、最低午前0時には、床についたほうがいいでしょう。

50代後半以降になると、午前0時就寝でも、病気にかかりやすいリスクは高まります。50代になって就寝時間が午前0時を過ぎるようだと、大病しやすくなります。
すでに述べたように、夕方以降、特に夜間9時~午前0時の時間帯は、アドレナリン分泌が抑制されるので、仕事をすると非常に疲れやすく、体が寝る準備をすることができません。

朝方に眠りに入る昼夜逆転型は睡眠が圧倒的に不足している

できるだけ定時で仕事を切り上げ、「その日のうちに寝る」生活スタイルに生活習慣を変えます。

寝る時の姿勢は、仰向け寝がいいでしょう。
仰向けのメリットはいくつかあります。まず、肺やお腹が上になるので、ラクに深呼吸ができ、リラックスして深く眠ることができます。

横向きやうつ伏せになると、口呼吸になって呼吸が浅くなりがちですが、それも防ぐことができます。
口呼吸は酸素不足にも陥りやすいです。

また、仰向けで寝ると、肩や内臓を圧迫することがありません。さらに、姿勢がよくなって、猫背を防げます。仰向けで寝るためには、低い枕が不可欠です。

枕が高いと、首が折れる形になり、脳や肩への血流が悪くなってしまうからです。また、よく言われるように、布団は薄いものがよいでしょう。柔らかすぎて腰が沈むものは腰痛を引き起こします。

昔から、庶民は、「せんべい布団」でなく、貴族のようなふかふかの寝具にあこがれるものですが、健康の面から言えば、せんべい布団に低い枕のほうがいいわけです。

寝室にはレースカーテンが最適

寝室は、真っ暗にしたほうがよいでしょう。光は、交感神経を刺激するからです。夜中にトイレに起きる時も、できるだけ、強い明かりが目に入らないようにしたほうがよく眠れます。

しかし、朝になったら、積極的に太陽の光を浴びることができるようにしましょう。すでに述べたように、太陽の光は、交感神経を強く刺激して、目を覚まし、活動の準備を始めるのに必要だからです。

できれば、寝室のカーテンは、夜は、(防犯に問題がなければ)レースカーテンだけにするといいでしょう。日の出と共に太陽の光がほどよく部屋に射し込み、自然な目覚めにつながります。

起床時は、目覚ましを使わないで起きられるのがベストです。けたたましい目覚ましの音で、睡眠中の生理現象を断ち切ることは、好ましくありません。

朝日が寝室に射し込みやすくしたり、睡眠の十分な量と質が確保されていれば、本来、人間は、朝、自然に目覚めることができるのです。そうした良質の睡眠を取れるよう、生活を改善していくといいでしょう。

就寝前の40秒間行う呼吸法が朝までの快眠に効果的

夜中にトイレなどで目が覚めたとき、なかなか眠れないという人もいるでしょう。年齢を重ねると、体が交感神経優位に傾いてくるので、40代以降では、夜中に起きて、眠れなくなる人も少なくありません。そんな時は、仰向けになり、腹式呼吸をするとよいでしょう。「吸って吐いてに1分」かけて、深く長く呼吸するのです。最初は、40秒くらいが限度でしょうが、慣れるにつれて、長くできるようになっててきます。この呼吸を5回線り返します。慣れてきて上手にできるようになれば、5回目に入らないうちに、寝てしまうでしょう。

仰向けに寝る人は「五十肩にならない」

五十肩は、寝る時の姿勢と関わりが深く、夜間に痛むことも多いため、睡眠の質に影響するからです。いわゆる五十肩とは、肩関節周囲炎と言って、中年期に多く発生するものです。

この五十肩になる人の特徴は、睡眠時に、横向きの姿勢で寝ることです。横向きだと、肩が圧迫されて血流障害が起き、組織破壊が起きてしまうのです。
横向き寝の人は、仰向け寝ができない人が多いでしょう。仰向け寝ができない人は、たいてい太り気味です。太り気味だと、お腹の脂肪が横隔膜を圧迫して、呼吸が苦しくなるからです。

中年期に太り気味になる人は、それまで頑張って仕事をしてきた人と言えるでしょう。頑張りすぎてストレスがたまり、交感神経が緊張し続けるために、それを解消しょうとしてよく食べます。食べるから太り気味になります。

また、交感神経が緊張していると血流障害が起きるので、肩に疲れがたまりやすくなっています。つまり、バリバリ頑張りすぎて、血流障害が起き、太り気味になり、それが原因で横向き寝の習慣がつき、やがて五十肩になるわけです。

ですから、五十肩を治すためには、寝る姿勢を仰向けにする必要があります。そのためには、やせる必要があり、ストレスによるドカ食いをしなくてもよい状態になるまで生き方を変えないといけないのです。

「いびき」は体の危険信号

睡眠の質を決めるものと言えば、いびきも重要です。いびきがひどいと、呼吸が妨げられて、酸素不足になります。いびきをかくのは、自律神経のパターンが極端になっているということです。

いびきは、太っている人に生じがちです。首の周りに肉がついて、のどの内側が狭くなるからです。太る原因は、頑張りすぎてストレス解消のために食べすぎているか、ラクをしすぎてエネルギー消費量が少なすぎるかのどちらかでしょう。

また、いびきは口呼吸をしている人にも生じがちです。交感神経が優位になりすぎて酸素不足に陥っている人で、より多くの酸素を吸おう吸おうとしている人や、副交感神経の優位が続きすぎて鼻が詰まっている場合にも生じやすいでしょう。いびきを解消するにも、これまで述べてきたように、生き方を修正することです。
いびきを甘くみてはいけない