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疲れをためないライフスタイル1「定時に帰る」

定時帰宅
定時帰宅

夕方になると体が重くなる

仕事をしている人で、「夕方を過ぎると、急に体が重くなる」経験をしたことのある人は多いのではないでしょうか。

もちろん、1日の疲れがたまってきたからでしょうが、自律神経の日内リズムを見れば、理由も明らかになります。

人間の体は、午前中から日中にかけては、交感神経を優位にして仕事モードの体となります。やる気が出てきて元気に活動するモードです。

そして、夕方ごろからは、夜の就寝に向けて副交感神経が価位になり、体は休息モードに入ります。血流も回復し、気分はリラックスしてきますので、本来でしたら、ここで「体が軽く」感じられるはずです。

ところが、多くの人は、夕方になつても相変わらず仕事を続けています。活動に向かない休息モードの体をムチ打って、無理して動かす不自然なことをして、その分、体への負荷が高くなるのです。

つまり、体の日内リズムを無視して、夕方以降も働き続けるスタイルによって、「夕方以降、急に体が重くなる」現象が生じているわけです。

体の自然なリズムから見れば、夕方以降も仕事をするのは、とても不自然な生活だと言えます。

本来、夕方以降は、副交感神経優位になり、1日の疲れを洗い流す時間なのですが、ここで、さらに働き続けると、1日の疲れを取ることができないばかりか、昼間よりもさらなる疲れを積み増すことになり、典型的な疲れをためる生き方になります。

そもそも夕方以降は、副交感神経優位になるので、集中力も落ち、体も動かず、仕事の効率は極めて悪くなるはずです。ですから、昼間よりも、ストレスもたまりやすくなっているでしょう。

このように、夕方以降は、仕事の能率が悪くなり、さらに仕事をすると健康を害する時間帯なのです。よい仕事を長く続けていくには、いかに、この時問に仕事をせず、休息を確保するかを考えなくてはいけません。

残業は、長くても2時間、午後7時には仕事を終えるべきです。もし、あなたの職場に、きちんと仕事を終えて夕方に帰る人に対して、「暇なの? 」と言ってしまうような「長時間労働の美学」があるなら、それを捨てたほうがいいでしょう。

夕方以降はできるだけ仕事をしないことが、いい仕事を長く続けるために、ぜひ必要なことなのです。

デスクワークの人の免疫力を高めるためのすぐにできる簡単体操(8の字体操)(腰なで体操)(目回し体操)

デスクワークの人のための体操
デスクワークの人のための体操

全身が温まる8の字体操

デスクワークが中心の人向けに、簡単な体操で「8の字体操」です。

  1. まず、背筋を伸ばして立ちます。足は肩幅くらいに開きます。体の中で力が入っているところがないかチェックして、全身の力をできるだけ抜いてリラックスします。
  2. 腕を上に上げます。手は自然に開いたままです。
  3. 両腕で、頭の上に、床に対して水平に、大きく「8の字」を描きます。この時に、腰から上も力を抜きながら、腕の動きに合わせて自然に揺れるようにします。これだけです。

8の字体操は、ラジオ体操の「体を横に曲げる」「体を前後に曲げる」「体をねじる」の3つの動作で使う筋肉をすべて使う運動であり、体のほとんどすべての筋肉を連動させて動かすことができます。ですから、血流を回復させるには、とても効率がよいのです。
簡単に見えますが、はじめは体がぎしぎしする感じがしてうまくできない人もいるでしょう。

この運動を習慣にすると、やがてスムーズにできるようになり、体の動きも、血流もよくなってきます。

特に、肩こりや背中のこりが解消されるのでまた、集中して仕事に取り組めます。

体のこりを解消する「腰なで体操」

これもまた非常に簡単な運動です。

  1. 背筋を伸ばして立ちます。足は、肩幅より少し広めに開いたほうが、うまくいきます。全身の力を抜いてください。両ひざは軽く曲げます。
  2. その状態で、まず、右方向に胴体を移動させ、右足に体重を乗せます。すると左足のかかとは自然に浮くでしょう。垂心の移動と同時に、右手で右のお尻から、右足の太ももの下のほうまでを、なで下ろすようにします。この時、上体を前に倒さないようにするのがコツです。自然と右肩が下がり、左肩が上がるはずです。すると、左の脇腹下の腰の
  3. 筋肉が伸びるのを感じるでしょう。
  4. 今度は2の逆です。左方向に胴体を移動させ、左足に重心を乗せると同時に、左手で左のお尻から太ももの下のほうまでなで下ろします。
  5. 重心の移動を十分に意識しながら、2と3をリズミカルに繰り返します。

上手にできるようになると、短時間で驚くほど腰の筋肉がほぐれ、こりが取れるのを感じるでしょう。

8の字体挟も、腰なで体挟も、リラックスしてやってみましょう。短時間で、こりやすい筋肉を動かす、非常に効率のよい運動です。体は、ひねったり、重心を移動させたりして揺らすと、姿勢をまっすぐな状態に戻そうとする性質があります。その時に、さまざまな筋肉に効率よく負荷をかけると、血流が促されるのです。

目の疲れが一瞬で解消する「目回し体操」

デスクワークが中心の人は、目の疲れをこまめに取る必要があります。それには、目回し体操がお勧めです。

これもとても簡単です。上、下、右、左を見る形で目を動かしていきます。また、時計回り、反時計回りにぐるぐる回してみましょう。

目をあちらこちらに向ける時は、顔を動かさないように注意することがコツ。正面を向いたまま、目だけを動かしましょう。目を開けているとクラクラする人は、目を閉じてするといいでしょう。

以上の動作を中心としながら、後は、疲れが出やすいところをほぐす動作を自分なりに工夫してつけ加え、毎日何セットかするとよいでしょう。

まず、深呼吸をして、筋肉をほぐします。次いで、「8の字体操」、「腰なで体操」。その後、「目回し体操」をします。その後、首を前後左右に曲げたり回したりし、ひざの屈伸をし、足を大きく開いてひざを曲げ腰を落とす「また割り」をして、前屈・後屈をします。深呼吸から前屈・後屈までの7つを1セットとして、朝食の前にじっくりと20分くらいかけて行い、後は、仕事中に疲れを感じた時に、気分転換がてら気軽に行います。

仕事の合間にこうした体操をすることで非常にまた、集中力をたかめることができます。こうしたリラックスタイムにより仕事の効率も高まるでしょう。

自律神経を安定させる生活習慣

深呼吸で自律神経安定
深呼吸で自律神経安定

40秒で吐いて吸う

具体的な疲れ解消のポイントです。1時間に1回の休息の際に、まずやるとよいのが、深呼吸です。呼吸をバカにしてはいけません。と言ってバカにしてはいけません。
深呼吸は、工夫によって、自律神経をコントロールするスイッチの役割を果たすので、気分を落ち着かせて体の声を聴きやすくしたり、逆に集中力を高め、活動しやすくします。

また、体操の前に行うことで、体に酸素を取り込んで、筋肉をほぐします。さらに、肺が広がり血流を促しますので、胸がふさがる姿勢を続けている人に多い肺ガンの予防になります。
肺がんについての詳細はこちら

肺は、日分の意思で動かせない自律神経と、自分の意志で動かせる運動神経の両方から支配を受けている唯一の臓器です。

私たちは、呼吸という意識的な行為を介して、普段は意志の支配を受けつけない自律神経を刺激し、そのバランスを整えることができるわけです。さらに細かく言うと、息を吸う時に交感神経が優位になり、吐く時に副交感神経が優位になります。

仕事に集中しすぎて交感神経優位が続き、呼吸が浅く速くなると、やがて酸欠に陥り疲れが生じます。

こうした時は、副交感神経を刺激しなくてはなりません。より効果的に刺激するには、たくさんの酸素を取り込むことと、吐く息を吸う息よりも意図的に長くすることの2つが必要です。

この2つを兼ね備えた呼吸法が、腹式呼吸です。腹式呼吸は横隔膜を上下させることによって行う呼吸法です。横隔膜の上下によって、腸が刺激されるので、副交感神経を優位にします。

深呼吸のやり方

まず、背筋を伸ばして胸を広げ、下腹部分をへこませながら、ゆっくりと、「これ以上、吐けない」というところまで息を吐ききります。息を吐ききると、自然に息を吸う流れに入れます。

そして、意識的にお腹を膨らませながら息を吸います。吐く時間が、吸う時間の2倍以上になるようにしましょう。

吸う時は鼻で、吐く時は口をすぼめて量をコントロールすると吸う時間の2倍以上の長さになります。

仕事の合間に休息を取る際は、腹式呼吸を行った後、体に意識を向け、体の声を聴いていきましょう。日中リラックスしたい時だけでなく、寝る前に行うと、寝つきがよくなります。

また、夜中に何となく目が冴えて起きてしまった時も、腹式呼吸の「吸って」「吐いて」の呼吸を1分間かけてゆっくりとやってみてください。おそらく5回も呼吸しないうちに、眠くなってくることでしょう。

1分かけてのひと呼吸というのが長すぎてできないという人は、最初は40秒でひと呼吸してみてください。

慣れてくると、だんだん長い時間の中でひと呼吸ができるようになります。呼吸で刺激できるのは、副交感神経だけではありません。リラックスでなく、逆に集中したい時や気力を出したい時は、交感神経を刺激する胸式呼吸をするとよいでしょう。

胸式呼吸は、肋骨の動きによる呼吸法です。まず、姿勢を正し、両手を軽く握り、顔の横に持ち上げます。その状態のまま、ひじを左右に開きながら、口で「スッ」と勢いよく息を吸い、胸を張って空気をため込みます。

ひと呼吸おいた後、フツと肩の力を抜くと、自然にひじが下りますので、その時に息を吐きます。これを5回ほどやるとよいでしょう。頭に血液と酸素が巡り、意識がはっきりしてきて、心身共に集中力が高まります。