Home > 免疫力アップで疲れ知らずの体 > 睡眠

寝つきがいい睡眠と悪い睡眠

寝つき
寝つき

布団に入るとあっという間に寝てしまう人の特徴

さて、どうすればよく眠れるのかという話をする前に、そもそも不眠に悩まされている場合は、どう解消すればいいのでしょうか。
自分の体の自然なリズムを意識しようと言われても、リズム自体が不安定になつているので、なかなかわからないでしょう。

不眠の場合は、活動しすぎ、または楽をしすぎの極端な生活によって体のリズム自体が崩れています。そこで、まず、活動と休息の、ほどよいバランスを取り戻さなくてはなりません。

不眠にも、疲れと同じように2つのタイプがあります。1つ目のタイプは、交感神経優位の生き方で不眠に陥っている人です。このタイプの人は、交感神経が優位になったまま活動をしすぎたために、自律神経のシーソーがうまく働かなくなり、ずっと交感神経の優位が続いています。

副交感神経が優位になる夕方以降、夜中まで働くのが当たり前になっているという例です。また、交感神経を緊張させる心の悩みが大きい人も、該当するでしょう。

交感神経が緊張し続けると、ベッドに倒れ込むように寝たり、昼間に猛烈な睡魔に襲われたり、週末に風邪を引いて寝込むなど、強制的に休息を入れる反応が出てきます。ここで休んでいれば、何とかバランスを保てるのですが、こうしたサインが出ても休まない場合は、自律神経のバランスが崩れ、常に交感神経が優位になって眠れない状態になっていきます。
2つ目のタイプは、副交感神経優位の生き方で不眠に陥っている人です。

日中の活動量が少なすぎるため、夜は眠くならないのです。眠くならないので、安易な夜更かしに走り、自律神経の日内リズムが崩れて、健康状態が悪化します。両タイプとも、低体温になる傾向があるので、朝起きても、すぐに活動のエンジンがかかりません。
エンジンがかかるのは午後以降と遅れがちになり、興奮が夜まで続いてまた眠れないという悪循環に陥ります。

眠りが浅く短い人」は人生も浅く短い?

2つのタイプとも両極端な生活ぶりですが、共通点を挙げるとすれば、人工照明の発達、夜でも活動できる人工的な環境の影響が大きいでしょう。もともと人類は、何千年も太陽と共に生活をしてきました。太陽が出ている時に活動し、太陽が沈むと共に寝るしかなくなるという生き方です。

体も、そのような生活リズムでバランスが取れるように構成されているわけです。L かし、ここ50年ほどの科学の発達により、真夜中でも明かりをつければ、仕事も勉強もできるようになりました。

24 時間、蛍光灯が目にまぶしいコンビニエンスストアもできました。夜中でもテレビやビデオを観て楽しむことができます。インターネットも発達し、楽しみの幅はさらに拡大しています。

これらは、すべて、光を目に入れて刺激し、交感神経を働かせるものです。夜になっても眠らずに活動した結果、睡眠不足になり、それが高じて不眠になり、疲れがたまって病気になる人が増えているのです。
たとえば、働き盛りに多いストレス多で眠れずに血圧が高くなる症状などです。

普段から血圧が高い人はわかりやすいのですが、睡眠不足になると血圧が上昇します。これも自律神経が不安定になったことによるものです。疲れたときに休むことが結果、仕事や勉強を

文明の利器が悪いのではありません。それは、大いに便利さを提供するものですから、上手に使いこなせばよいでしょう。問題は、人間が、自分たちで生み出しためまぐるしい環境の変化に振り回され、体の自然な働き・リズムを見失ってしまったことにあります。そう知って、生き方を修正していくことが、とても大事になっているのです。

長生きの睡眠と短命の睡眠

長寿と短命
長寿と短命

40代での夜更かしはガンになる可能性大

睡眠は、疲れや病気と深い関係があります。

現代人は、睡眠不足の恐ろしさについての認識がとても甘く、簡単に夜更かしをしてしまいます。しかし、自律神経と免疫の観点から見れば、睡眠時間を削るのは、体にとって非常に恐ろしいことです。

睡眠不足が体にどんな悪影響を与えるのかを知れば、見出しが決して大げさではないことがおわかりいただけると思います。毎日、就寝が午前2時ごろになっている人が、がんにならずに40代を切り抜けるのは難しいということです。

夜更かしや睡眠不足になりがちな生活スタイルは、はっきりと寿命に影響します。昔から、画家は長生きで、作家は短命と言われます。
画家は、絵の具の色の出具合を見なくてはいけないため、照明がなかったころは、太陽が出ている時に仕事をしなければならなかったからです。

作家の場合、文字を見ることができればよいわけで、それが、深夜まで暗い照明のもと、目を酷使しながら書くという生活スタイルにつながったのだと思います。

その結果、画家は長命で、作家は短命になると言われたのです。同じ芸術家なのに、睡眠の取り方によって、寿命に差が出てくるのです。

この事実を知った、ある売れっ子の作家は、日中仕事をし、夕方5時くらいには仕事をやめて居酒屋に行き、リラックスするようにしたそうです。

その結果、とてもよい健康状態を保てているようです。このままいけば、おそらく寿命も他の作家ほど短くはならないでしょう。作家でも、生き方を変え、睡眠時問を確保すれば、健康になれるのです。

免疫力を高める睡眠時間

夜は副交感神経が優位になり、血流を回復させて体の老廃物を流し、リンパ球が異常になつた自己細胞のそうじをします。1日の疲れを取り去る大事な時間です。
ですから、睡眠時間は、できれば7~8時間ほどは確保してほしいと思います。この時間をおろそかにすると、交感神経の緊張が続き、脈は速く、血圧は高く、血糖値も高い状態が続きます。

行き着く先には、高血圧症、糖尿病、高脂血症、狭心症、不整脈、心筋梗塞、脳卒中、くも股下出血、そして、ガンなどの重大な病気が待っているわけです。

誰しも病気になってから、「しまった」と思うものですが、その時、すでに体は壊れているので回復するのは大変です。その手前で「疲れという警告」が出ているのですから、それを無視しないでほしいと思います。

疲れの原因は、無茶な塵活そのものにあります。特に大きな割合を占めているのが、睡眠不足です。

睡眠不足は、ボディーブローのように、必ず、先々の健康に潜在的なダメージを与えているととらえるべきでしょう。休息と睡眠の大切さをはきちがえる人も多いのですが、仕事もがんばり睡眠もしっかり取るというのは矛盾していないのです。

疲れと病気の7割以上が休息と睡眠を軽視した結果、交感神経が優位になる生き方により引き起こされています。

つまり、「頑張っている人はど、休息時間もたっぷり取れ」ということです。この当たり前のバランスが崩れている人があまりにも多いため、休息と睡眠の大切さをくどくど説明しているわけです。

せっかく人間として生まれたからには、世の中の人々を驚かすような大きな仕事をして死にたいものです。体の仕組みからいっても、人間は、まったく頑張らずラクばかりして生きるようにはつくられていません。

さらに付け加えると、睡眠の取り方は、すべての人に、杓子定規に適用されるべきではありません。場合によっては、逆にストレスがたまり、交感神経が緊張して、うまく睡眠が取れないことにもなりかねません。

よい睡眠を得るためには、「十分に活動したら、必ず十分な睡眠を取る」「太陽と共に起き、太陽が沈んだら、できるだけ早く休む」「交感神経と副交感神経の両方がきちんと働くようなメリハリの利いた生活をする」という基本原則はあるものの、細かいところは、人によって違うわけです。

疲れの取り方と同じです。極端な例ですが、長寿世界一だった故・本郷かまとさんは生前、丸2 日間寝て、丸2日間起きているという生活パターンでした。
一見、異常にも見えるサイクルですが、本郷さんの体にとっては自然なリズムだったわけです。昼夜が逆転する仕事をしている人が、「太陽と共に生活をせよ」と言われても、無理でしょう。もちろん、基本原則に沿って生活ができるに越したことはないのですが、昼夜が逆転している生活の中で、疲れが最小限に留められ、元気でいることができるような睡眠リズムを発見し、習慣化すればいいわけです。

リズムを守っているうちは、それなりに元気な生活を続けていくことができるはずです。自分の体の睡眠リズムを発見できない人は、まず、それを発見することを目標にしてください。そのリズムを定着させるよう努力すればいいのです。

さわやかな朝と心地よい夜(快眠のために)