腸の免疫力を高める方法

長寿者(100歳以上)の元気な人の腸内はこうなっている

大腸ガンが急増中、小腸ガンは聞かないけれど…

日本では男女共に大腸ガンが急増していますが、周囲の方で小腸がんになってしまったという人はいません。大腸がんはいま、日本人女性のがんによる死因のトップ、数年後には国民の死因のトップになる勢いで増え続けています。

同じ腸なのに、なぜ大腸がんは多く、小腸がんはないのでしょう。これは「医学界の七不思議」と言う人もいる、奥の深いミステリーです。がんだけではありません。大腸の病気は、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群など、よく知られているものだけでもいくつもあるのに、小腸本体の空腸や回腸に特有の病気というのはなかなか耳にしません。

口から食道を通って、胃、小腸、大腸、肛門にいたるまでの1本の長い管を「消化管」と呼びます。その中で小腸(十二指腸+空腸+回腸) は全長約7  mもあり、全消化管の.75% を占めています。表面積で言えば、大腸1 に対し小腸9ぐらい。名前はスモールでも、占有率から言うと大腸より小腸のほうがずっとビッグ。小腸は消化の中枢をにない、自己判断でせっせと正確に激務をこなしています。

対する大腸の働きは、食べカスの水分を吸い取ることと、便をためておくこと。祖先が魚から両生類へ進化して陸に上がってきた時、水の中のような「たれ流し」スタイルでは、敵に居場所がすぐわかって襲われてしまうから、便を一時ためておくための大腸が「増設」されました。

ともかく小腸のほうがずっと精密でデリケートな作業を受けもつているのに、消化管の腫瘍に占める小腸がんの割合は、0.00 いくつというレベルです。

大学病院の外来でも、小腸がんの患者さんは数年にひとりいるかいないかです。それも「入り口」の十二指腸がほとんどで、小腸の本体、空腸や回腸のがんは、極めてまれです。日本だけでなく、中国でもインドでもアメリカでもヨーロッパでもアフリカでも、世界中どこでも同じです。

小腸がんのない理由として一般的に言われているのは、「発がん性物質の分解酵素が、大腸よりも強く働くため」「免疫細胞の働きが非常に活発だから、がん細胞を排除する」などがあります。

ストレスまみれの大腸をストレスから救え

小腸は生物の原点で、何億年もの進化の歴史をくぐり抜けてきた器官だから、めったなことでは病気にならないのではないでしょうか。
もし小腸が簡単にやられてしまうなら、その生物は種をつないでいけません。

だから「あと付け」の胃や大腸はやられても、小腸だけは最後まで動いてくれる。小腸には1億個もの神経細胞がありますが、そのうち脳につながっているのは、わずか数千個。脳との経路をカットされても、なんの不都合もなく独立して機能していけます。

それは「脳のストレスの影響を受けない」ということでもあります。一方の大腸は、脳と密接にネットワークしていて、自律神経に支配されています。だからストレスまみれで、がんも病気も多発するのでは… 。

最近は、カメラ内蔵のカプセルを飲んで、小腸のすみずみの画像をきめこまかくチェックできるようになりました。でも、もし小腸になにか不具合が見つかっても、小腸自身の自然治癒力に任せたほうが確実かもしれませんね。

乳酸菌は、糖類から乳酸を生産する微生物の総称。酸素があっても生きられます。ビフィズス菌は、主に酢酸と乳酸を生産し、酸素があると生きられません。善玉菌たちは互いに力を合わせ、それぞれに分泌液を出し、混ぜ合わせることによって「有効物質」を作り出します。それがバリア網の役割を果たし、悪玉菌の活動を押さえこんで殺すほか、悪玉菌が生み出した有害物質を中和して、病気の根源を絶ちます。

ただし、単純に善玉菌と悪玉菌を区別できないところもあります。たとえば人間にとつて有用なビタミンを作る「バクテロイデス菌」は、そこだけをとれば善玉菌。

しかし他方では、発がん性物質も作っています。また一般に、体によい物質を出すのは善玉菌、悪い物質を出すのは悪玉菌と区別されていますが、悪玉菌の大腸菌が腸内の栄養分を食べ始めると、乳酸菌も負けじと栄養分を食べるというように、お互いの存在があるから成り立っている面もあります。だから、免痩力を高めるには「善玉菌がやや多めのバランス」が肝心なんです。悪玉菌がゼロの状態もよくない。

たかが便秘、されど便秘、怖い結末が待っている

朝の通勤タイムに、山手線の駅トイレに入ると驚きます。大便ブースの前に、青い顔をした男たちが何人も並んでいるのです。検査しても腸には異常がないのに、お腹がたびたびゴロゴロしたり、下痢と便秘をくり返す「過敏性腸症候群」が増えています。

過敏性腸症候群 | Condition
https://condition-info.com/archives/1146

朝の通勤通学の電車の中でガマンできなくなり、途中下車してトイレに駆けこむ姿から「各駅停車症候群」とも呼ばれます。

日本人の5人に1人が悩まされ、男性だけでなく女性にも大変多い。便秘に悩む人も、いま日本全国で1000万人と推定されています。

ビフィズス菌などの善玉菌は大腸の入り口で増殖するので、便が奥に進むほど善玉菌の影響がしだいに弱まります。なので便が腸にとどまる時間が長いはど、悪玉菌が増殖し、有害物賞も増え、それが腸壁から体内に吸収されます。

有害物質は血液に溶けこみ、全身をめぐります。便秘をすると自律神経のバランスが乱れ、血行も悪くなります。だから便秘が続くと吹き出物やクマにも悩むことになり、くすんだ「老け顔」になってしまいます。皮膚は「内臓の鏡」と言われるほど忠実に、腸の状態を映します。

いつも顔色が悪くて、体調がバッとしない人は、まず便秘退治が大切です。

大腸がんも増え続けて、2015年には白本の女性の死亡原因の第1位、男性の死亡原因の第3位になるのでは、という予測もあるほど。日本人の腸は、すっかりひ弱になり、がんにつけこまれやすくなっているようです。

風邪やインフルエンザが、季節を問わずはやること。花粉症やアトピーが増え続けていること。頭痛、不眠・うつ、更年期障害などの自律神経の乱れからくる不調も、生活習慣病も、改善の気配が見られないこと…。

国民的な不調のすべては、腸を健康にして免疫力を高めれば、一掃できます。そのカギをにぎるのが、腸内細菌です。

善玉菌を増やし快腸になる「乳酸菌酵母共棲培養エキス・ プシュケー」 | 自分の免疫力で治す
https://www.d-blood.info/2017/06/27/%e5%96%84%e7%8e%89%e8%8f%8c%e3%82%92%e5%a2%97%e3%82%84%e3%81%97%e5%bf%ab%e8%85%b8%e3%81%ab%e3%81%aa%e3%82%8b%e3%80%8c%e4%b9%b3%e9%85%b8%e8%8f%8c%e9%85%b5%e6%af%8d%e5%85%b1%e6%a3%b2%e5%9f%b9%e9%a4%8a/

薬でお腹をこわす理由

ここ10年ほどにわかに、腸内環境を、生きた微生物で整える「プロパイオテイクス」の考え方がヨーロッパから世界に広まっています。

一方、病原菌を殺して病気を治す抗生物質を「アンチバイオテイクス」と言います。病院で処方された抗生物質をしばらく服用したら、お腹の調子がおかしくなった…そんな経験は多くの人がしていると思います。腸は体内の発酵工場のようなものなので、微生物や細菌が複雑な形でかかわって消化・吸収に働き、免疫力も発揮しています。

抗生物質は病原菌と一緒に腸の善玉菌も殺しやすく、免疫力を落とします。抗生物質を服用して腸内細菌のバランスが破壊された子どもには、アレルギー症状の出現率が高いこともわかっています。

プロパイオテイクスは真逆で、微生物と「共生」し、自然治癒力を高めて病気を遠ざけようという考え万です。「生きて腸に届く乳酸菌」というフレーズも、耳にしますね。

そのパイオニアは日本人です。故・代田稔博士は、80年も前に「予防医学」「健腸長寿」を捏唱し、乳酸菌シロタ株(ラクトバチルス・カゼイシロタ株。通称ヤクルト菌)を発見しました。を発見しました。

世界初の、人腸由来の「生きて腸に届く乳酸菌」でした。代田氏は1899年(明治32年)生まれ。当時の日本は衛生状態が悪く、子どもたちが赤痢やチフスでバタバタと命を落としていました。「疫病の原因は細菌で、かかってからでは治す方法がない。ならば、かからないための予防で人を救いたい」と、京都帝国大学医学部で微生物の研究を始めます。

腸が丈夫になり元気になると人間は健康になる

「人が栄養を吸収するのも、病原菌が暴れるのも腸。腸が丈夫になってこそ、人は健康になれる」と考えた代田氏は、「人腸乳酸菌」に着目しました。

乳酸菌は乳酸を生産することによって、悪玉菌を減らしてくれます。「病気の原因は85% が微生物。腸には悪いい菌も、それを抑えるよい菌もたくさんいる。よい菌を人の腸から取り出して培養し、腸まで生きて届くようにすればいい」当時、ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌が腸の有害な微生物を抑えることは、すでに知られていました。が、ネックは口から摂ると強い胃酸にやられて、死んでしまうこと。

代田氏は、人の腸にすむ乳酸菌をひとつひとつ取り出し、胃液や胆汁を加えた培地で「きたえあげる」、強化培養に没頭しました。1930年、人腸乳酸菌の中の、酸にもアルカリにも強い株を分離し、強化培養することに、世界に先駆けて成功します。

強い酸性の胃酸だけでなく、アルカリ性の胆汁にも負けず、生きたまま便として出てくる、タフな乳酸菌の誕生でした。代田氏の名字をとつて「L ( ラクトバチルス)・カゼイ・シロタ株」と名付けられました。

それから80年を経て、乳酸菌シロタ株の、潰瘍や大腸がん、膀胱がん抑制などのさまざまな薬効が証明され、医療にも取り入れられています。

NK細胞の働き(NK活性)が弱まっている9人に、シロタ株入りの乳酸菌飲料を3週間飲んでもらったところ、直後からNK活性が高まり、その効果は6週間持綺することを確認しています。

日本ではほかにも、「明治ヨーグルトR-1」(明治) のR-1乳酸菌など、免疫力アップに働く乳酸菌が発見されています。

ヨーグルトを毎日食べる理由

腸内にすむ細菌の数は、ほぼ一定に保たれています。大人の腸内細菌のバランスは、かなり個人差がありますが、おおよそ日和見菌が全体の約70% 、善玉菌と悪玉菌がそれぞれ約15% 。善玉菌のほうがやや優勢だと、悪玉菌が暴れず、よい腸内環境が守られます。

善玉菌と悪玉菌がうまく「すみ分け」をしてくれれば問題ないのですが、人間社会と同じで、そう平和にはいきません。どちらの菌も、常に自分の領地を拡大しようとたくらみ、戦闘をくり返しています。

一般的に、善玉菌が増えると悪玉菌が減り、善玉菌が減ると悪玉菌が増えます。これも人間の社会と同じで、悪玉菌が多いと、不安定で病気の多い体になります。

また、いちばん数が多いのは、とりたてて善行も悪さもせず、その時の風向きを見て強そうなほうになびく日和見菌です。

善玉菌の勢力が弱まり、悪玉菌が増え出すと一大事です。腸内では腐敗が進み、アンモニア、インドール、フェノールといった有害物質が発生。腸管から吸収されて全身を駆けめぐり、肌荒れのもとになったり、風邪をひきやすくしたり、さらには心臓にまで悪影響を及ぼします。

慢性的な病は腸の汚れからはじまる | 便秘解消で解毒
https://constipation-guide.net/detox/2019/07/17/%e6%85%a2%e6%80%a7%e7%9a%84%e3%81%aa%e7%97%85%e3%81%af%e8%85%b8%e3%81%ae%e6%b1%9a%e3%82%8c%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%af%e3%81%98%e3%81%be%e3%82%8b/

善玉菌はもともと年とともに減るうえに、食生活の乱れやストレス、過労など、さまざまな原因で減ります。逆に悪玉菌は、悪役らしくふてぶてしい。宿り主の不摂生やストレスは絶好のチヤンスで、急増します。

腸内が腐敗すれば、それをエサにいっそうパワーアップします。ヨーグルトや乳酸菌飲料を摂ると腸内の善玉菌が増えるのは、乳酸菌、ビフィズス菌に加え、腸の中でビフィズス菌のエサになる乳糖も含まれているから。さくさんビフィズス菌は乳糖を食べると乳酸、酢酸などの酸性物質を作り出します。

悪玉菌は酸性の環境に弱いので、増殖が抑えられます。生きたまま腸に届く乳酸菌を摂ると、腸粘膜をはどよく刺激し、体の免疫力を活性化させます。

もし乳酸菌が死んで腸に届いても、食物繊維と似た働きもあり、悪玉菌を掃除して体外に排泄してくれるので、よい腸内環境を作る助けになります。ただし、もともと腸にすんでいるビフィズス菌のような形で腸にとどまることはできません。だから乳酸菌は、毎日摂ることが必要なのです。ちなみに人間の便の7〜8割は水分、残りの1〜2割くらいが腸内細菌、1割強が食べ物の残り。食べカスより腸内細菌のほうが多いんです。健康な大人の便には、1 gあたり、1000億個もの細菌が含まれています。死骸もあるし、生きている細菌もいます。その大半は腸の中にすむ細菌で、ビフィズス菌や大腸菌も含まれます。

がん、認知症の腸内

風邪をひいた人の腸内細菌を調べると、善玉菌の数が極端に減り、悪玉菌の数が優勢になっています。

便秘や下血刑の時も同じです。最近の調査で、胃がんの人の腸では、大腸菌よりももっと悪質なウェルシュ菌が異常に増加していることが確かめられています。一見、腸とは関係なさそうな認知症の人にも、胃がんの人に似た悪玉菌の異常増殖が見られます。

心臓疾患や脳梗塞との関連もわかっています。肝自律神経と腸内細菌も、密接にかかわりあっています。私たちがストレス状態になると、それを緩和しょうと、防衛反応として脳下垂体からアドレナリンなどのホルモンが分泌されます。結果として交感神経が優勢になり、副交感神経を抑えます。

腸の動きや消化液の分泌は副交感神経に支配されているので、ストレス状態が長く続くと腸内細菌のバランスや体調が悪くなります。

腸に負担をかけないために逆算の食事療法を実践する | 自律神経失調症の基礎知識
https://jiritsu-guide.com/2017/11/10/%e8%85%b8%e3%81%ab%e8%b2%a0%e6%8b%85%e3%82%92%e3%81%8b%e3%81%91%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ab%e9%80%86%e7%ae%97%e3%81%ae%e9%a3%9f%e4%ba%8b%e7%99%82%e6%b3%95%e3%82%92%e5%ae%9f%e8%b7%b5/

くさいおならは病気のサイン

「くさいおなら」「人前で出るおなら」を気にする人が増えています。急にくさくなったり、ところかまわず出るようだったら、腸内に悪玉菌が増えているサイン。近年の研究で、腸内で悪玉菌が増えると、腸内発酵ではなく「腐敗」が進むことがわかっています。

おならのにおいは腸内の状態を示すバロメーターなんです。1日に腸で作られるガスは、大人で400〜15 00 mlそれを5〜20回ぐらいに分けて放っています。腸内のガスのもとは7〜8割前後が、口や鼻を通って入ってくる空気中の酸素や窒素。だから炭酸飲料も、おならの原因になります。

「ガスでお腹が張って苦しい」と訴える人は、ストレス性が多いです。緊張やイライラから無意識のうちに空気を飲みこむ、早食いのついでに空気もガプ飲み、ということもよくあります。ゆっつくりかんで食べれば、唾液と混ざって「ガス抜き」できます。ストレスは腸の働きやぜん動運動(便を先に送り出す動き) をさまたげるので、さらにガスがたまりやすくなります。腸内ガスの多くは便と一緒に排出されるので、排便時に腸をもむ(下腹の両脇を中心にもむ) などして、できるだけ多くのガスを一緒に出してしまうのも手です。残り2〜3割の腸内ガスは、食物を分解する時に作られます。

まず、イモや豆などの炭水化物が腸内細菌によって分解されると、二酸化炭素やメタンなどのガスが発生します。これは発酵型のガスでさほどにおいません。2番目が、肉や卵などのたんばく質系。これは分解されると、アンモニア、硫化水素、インドール、スカトール、揮発性アミンなど腐敗型のガスに変わり、とりわけ便秘と組み合わさると、強烈なにおいのもとになります。3番目は脂肪です。分解されると揮発性の脂肪酸になり、においは汗に似ています。

つまり、「鼻をつまみたくなるおなら」が出るのは主に、たんばく質が分解された時です。実は分解にも細胞の役割分担があり、炭水化物は主にビフィズス菌等の善玉菌、たんばく質や脂肪は主に、ウェルシュ菌等の「悪玉菌」が受けもちます。

たんばく質は悪玉菌を活性化させ、もとから悪玉菌が優勢だった場合は、一気にのさばります。食事は楽しんで食べることがたいせつなので、肉を断つ必要は全くありません。

ただ、動物性たんばく葺を摂る時は、乳酸菌に加え、野菜、イモ、豆、海藻に含まれる、水溶性食物繊維をなるべく摂ってください。これらは腸の中に入ると水分を含んでドロリとしたゲル状になり、いらないものを吸着・排出するので悪玉菌を抑えてくれます。水溶性食物繊維は、腸の中で善玉菌のエサにもなります。

100歳でダンスを踊るグルジアの人の腸内

若い人の腸の中は「善玉菌」のビフィズス菌が優勢で、「悪玉菌」のウェルシュ菌は劣勢。そのバランスが50歳ごろから逆になって悪玉菌が急増。

高齢になるとビフィズス菌がゼロになってしまう人も珍しくない… 。これが腸の常識ですが、1 0 0 歳になっても善玉菌たっぷりの人々もいます。

中央ヨーロッパのコーカサス地方に、有名な長寿国・グルジアがあります。90 歳、100歳の超高齢者が多いだけでなく、背すじがしゃんと伸びて、軽い足取りでダンスを楽しむ人が大勢いることが、注目の的になっています。

その秘密はどこにあるのだろうと、世界中の長寿学の権威たちが、さまざまな角度からグルジア人の健康調査を続けてわかったことは、「年をとっても、腸内に善玉菌が非常に多い」こと。超高齢になっても、乳酸菌やビフィズス菌の数が若い人と大差ないのです。

首都・トビリシに滞在した知人いわく、朝、通りから聞こえてくるのは「い〜しや〜きいも〜」に似た「マ〜ツォ〜ニ〜」という声。

現地ではヨーグルトを「マツォニ」と呼び、近郊の村から、ヨーグルト売りたちが毎朝、大きな瓶にできたてを詰めて、売りにくるそうです。ヨーグルトを自分の家で作っている家も多く、毎朝、どんぶり1杯ぐらいずつ食べるのが当たり前。

そしてグルジア人は、あけっぴろげで大変なおしゃべり好き、ジョーク好き。笑い話が非常に好まれ、友人同士で「とっておきのネタ」を披露し合っては、しょっちゅうゲラゲラ笑い転げるのがレクリエーションです。

世界中から「長寿の取材」に押し寄せる記者やカメラマンに、ご老人たちが放つ、お気に入りの定番ジョークは「若い女の知り合いがいたら、紹介してくれないか?」。冗談ではなく本当に、生涯現役の人も多いというからおそれ入ります。

100歳になっても働きながら生きる
https://miracle-memo.com/longevity/

冗談ではなく本当に、生涯現役の人も多いというからおそれ入ります。もうひとつの長寿の秘境、パキスタンのフンザ地区でもヨーグルトがよく食べられています。フンザと並び称せられるエクアドルのビルカバンバの人の主なたんばく源は、牛乳に食塩を入れず、牛の十二指腸のエキスを混ぜたナチュラルチーズ。これに似たチーズを、グルジアの人も好んで食べます。

発酵乳の長寿パワーおそるべし、です。日本人はどうでしょう。腸内柵菌の権威、光岡知足先生は、かつて日本の長寿村として知られた山梨県・ゆずりはら桐原村の長寿者たちの腸を198 0年前後に調べて、「悪玉菌の割合が東京の老人ホームの老人より低く、東京都の青壮年の腸内細菌バランスに近い」と報告しています。

調査当時の長寿者は、雑穀、野菜、海藻、魚の干物、そして味噌と味噌煮を好んで食べていたそうです。これから納豆の「腸括」パワーについて紹介しますが、味噌は納豆と「兄弟」で、腸内の乳酸菌を増やす力が強い食品です。

はとんどは、肉も魚も野菜も卵も、バランスよく食べている、とがわかっています。また、l 日260 g のヨーグルトを、65歳以上の男女に、2 週間食べ続けてもらったところ、うんちをくさくする便中のアンモニア、スカトールが、いずれも摂取前の半分以下に減った、というデータが報告されています。「うんちがくさくなくなる」ということは、善玉菌が増えたということ。

つまり、年をとつてからでも、腸の中の環境は意外にかんたんに改善できるということになります。「長生きする腸」は、自分の意志で作れるんです。

善玉元気 フローラ健康科学研究所の腸内環境を整える乳酸菌発酵エキス | 便秘を解消しよう!
https://benpi-guide.net/contents/archives/2863

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