日本で流通するオリーブオイルは主に2種類
最近は、お店に行くと、さまざまなメーカーのオリーブオイルが陳列されていて、どれを買ったらいいのか困った経験があるかもしれません。
迷うことなく、目的に合ったオリーブオイルを選べるよう、まずはオリーブオイルについて、その違いをしっかり覚えましょう。
オリーブの実は、収穫後、搾油所に運ばれてオリーブオイルになります。摘み取られたオリーブの実は、水洗いをして葉や枝をとり除かれたあと、機械にかけて粗く砕かれます。さらにそれを練り込んでペースト状にしたあと、ペーストに圧力をかけて果汁をしぼりだす「圧搾法」、または撹拌したペーストを分離器にかけて、水分と固形物をとり除いて油分だけにする「撹拌法」のいずれかの方法によってオリーブオイルとなるのです。
この製法からもわかるとおり、オリーブオイルの搾油方法はとてもシンプルです。以下にその区分をまとめてみましたが、このオリーブの実を摘んで、砕いて、搾っただけのものを、「バージンオリーブオイル」と呼び、さらにそのなかで酸度が低く(つまり科学的にフレッシュであるという証明になる)、風味に優れた最高級のものだけが「エキストラバージンオリーブオイル」と呼ばれます。
製造上なんらかの理由でフレッシュさが損なわれてしまったものから酸化物質をとり除いたものが「精製オリーブオイル」です。そして、この精製オリーブオイルをエキストラバージンオイルとブレンドしたのが「オリーブオイル」です。ヨーロッパなどでは酸度や用途に応じてさまざまなオリーブオイルが存在しますが、日本では、おもに「エキストラバージンオイル」と「オリーブオイル」が流通しています。
オリーブオイルとのつきあいがまだ浅い日本人のなかには、「オリーブオイルの風味が苦手」という人もいるようです。ぜひ、本当においしいエキストラバージンオイルを味わって、その苦手意識をとり去っていただきたいものです。
さて、脂肪酸の組成から見ると、エキストラバージンオイルも、ブレンドしているオリーブオイルもオレイン酸が豊富です。しかし、オリーブオイルの魅力はオレイン酸だけではなく、フェノール類にあります。
とくにサラダのドレッシングに使ったり、加熱せずにそのままかけたりする場合は、フェノール類をしっかり摂るためにも、これらが豊富なエキストラバージンオイルをおすすめします。
また、エキストラバージンオイルはワインと同じように品種や産地によって、その風味が大きく異なります。ハーブのような清々しい香りがしたり、苦みを感じたりするような力強いものもあれば、フルーティーでやわらかくマイルドな味わいのものもあるのです。
エキストラバージンオイルの青い香りが苦手な人は、マイルドタイプのオリーブオイルを選ぶとよいでしょう。たとえば、オリーブオイルの産地である小豆島産のエキストラバージンオイルは、比較的マイルドでフルーティーなタイプが多いので、和食との相性もよく、初心者にもぴったりです。
オリーブオイルの分類
バージンオリーブオイル
オリーブの実を砕いて、固形物や水分をとり除く処理を行なった果汁100% のオリーブオイル。味と香り(官能特性)と酸度(遊離脂肪酸の比率)によって、以下の4つに分類されます。
- エキストラバージンオリーブオイルは、最高品質の昧とフルーティーな香りを楽しめるオイル。酸度が0.8 %以下。
- バージンオリーブオイルは、エキストラバージンオイルと同様に高品質な昧とフルーティーな香り。酸度が2% 以下のもの。
- オーディナリーバージンオリーブオイルは味と香りともに良好なオイル。酸度が3.3 % 以下。
- ランバンテバージンオリーブオイルは、酸度が3.3 %以上のバージンオリーブオイル。
精製オリーブオイル
バージンオリーブオイルの酸度が高すぎる、味や香りに問題があるといった場合に、精製処理を行ない遊離脂肪酸などを除去したオイル。マイルドな味で、酸度は0.3 %以下に抑えられています。
日本で流通しているオリーブオイルは、エキストラバージンオイル、精製オリーブオイルとバージンオリーブオイルをブレンドしたオリーブオイル(以前はピュアオリーブオイルとも称した)があります。
エキストラバージンオイルはそのままの昧を楽しむサラダのドレッシングやパンに使い、精製オリーブオイルとバージンオリーブオイルをブレンドしたオリーブオイルは揚げ物や炒め物などの加熱調理に使用するといった使い分けがおすすめです。
最近のコメント